引きちぎられるような痛みが頭皮に走った。 体を床に叩きつけられ、衝撃で脳がグラッと一瞬揺れる。 「てめーみたいな調子こいた女が一番ムカつくんだよっ!! 二度と学校行けねーようにしてやろーか!? アァ!?」 覆いかぶさってくる影。 乱暴につかまれる髪。 先輩が右手を振り上げ、思わずギュッと目をつむった、そのとき。 「――泉穂っ!! かぐやっ!!」 突然割りこんで響いたのは、桃の声だった。