5階で降りて、長い廊下を走る。 503号室 『新名』の表札。 鍵が閉まっていたら窓ガラスを割るくらいの勢いで来たけれど、意外にも玄関の鍵はかかっていなかった。 「かぐやちゃんっ!!!!」 勢いよくドアを開ける。 目に飛びこんだのは、複数の靴。 その中に女用がひとつ混じっているのを見て、ドクンと心臓が音をたてた。 「あ? なんか来たぞ~」 「っ……」 光景に、胸がつぶれるかと思った。