■16■ 『イズちゃん! そっちはどう!?』 携帯から聞こえる、エロ沢くんの緊迫した声。 「ダメ、駅のまわり探してるけど、全然……っ」 『そっか。俺らはもうちょい学校周辺あたってみるから』 「うん、お願い!」 電話を切ると、あたしは夕暮れの駅前を再び走り始めた。 頭の中でリピートするのは、さっきのモカの言葉。