「どうしたの、お兄ちゃん」 窓からかぐやちゃんが顔を出すと、桃が小走りで寄ってきた。 「お前、お守り忘れてただろ」 「あーっ、ホントだ!」 「ひぃひぃばあちゃんの時代から我が家に伝わる、ありがてぇ~お守りなんだから。忘れんなよ」 「うんっ、ありがとうお兄ちゃん」 どんだけ大事なお守りなんだ。 相変わらずちょっと変な川崎兄弟のやり取りに唖然としていると。 ふっと、桃の視線がこちらに向いた。