「泉穂! もしかして俺っ……“俺にしとけ”って言ったか?」 「う、うん……っ」 「ぅえぇぇぇっ、なんで俺そんなこと言ったんだよぉぉ!?」 「知らないよっ」 「それが俺の本心ってこと!?」 「知らないってばっ」 「オレ、オマエ、スキ!? ナンデ!?」 動転するあまりカタコトになった桃は、“スキ”という単語を口走ったとたん、顔を真っ赤に染め上げた。 「……店番に戻る!!」 いきなりシャキーンときびすを返し、歩き出す桃。