「……あのさ、桃」


「んぁ？」


「もし、自分が生まれつき体が弱くて。学校も休みがちで、留年しちゃってて……。

そんな環境で生きてきたら、心の奥ではちょっとくらい孤独感とか抱えちゃうよね」


「アッキーの話か？」



あたしは無言でうなずいた。



「考えたんだ、あたし。アキにとって“まわりの人の存在”はどれだけ大きかっただろうって。
……きっと、普通の人以上に、大事に大事に思ってたはずだよ」



……だから、アキはまだ乗り越えられずにいる。