「つーかお前、なんであんなヤツと一緒にいたんだ? お前が好きな男はアッキーじゃねぇのかよ」



桃が腹立たしげに煙を吐き出す。



「アキのことは、もういーの。あきらめたから」


「あー、なんかみんなも、“そっとしといてやれ”とか言ってたな。

でも俺はそーゆうの、どうも性に合わねぇっつーか。
理由も聞かずに“そっとしとく”ってのが、気色わりぃんだよなぁ」



もどかしそうに、赤い髪をガシガシ掻く桃。


もしかして、ずっと気にしてくれてたのかな。