「ねー、いいじゃん。泉穂ぉ」 またか。 昼食のカレーパンを頬張りながら、あたしは内心グッタリした。 「プリンスと隣に住んでるんだから、紹介くらいできんでしょぉ」 あたしとアキが隣同士だと知って以来、モカの“紹介しろ”攻撃が続いてる。 いつものモカならあたしに頼まなくても、男の1人や2人、朝飯前で射止めるんだろうけど。 今回は相手がオニ高生とあって、周りのガラの悪さにちょっと慎重になってるみたいだ。