終電間近の電車はガラ空き。 誰もいない車両で、あたしとアキは並んで座り、揺れに身を任せた。 「……どんな子だったの?」 突然つぶやいたあたしに、アキが「え?」と眉を上げる。 「リコちゃん」 「……あぁ」 ガタン、ゴトン、と規則的な音。 暖房の生ぬるい風。 流れていく夜の景色。 アキは財布を出すと、中から一枚の写真を取り出した。 数人の男女が室内で集まって撮った、ごく普通の写真。