「泉穂。落ちつけ」 「……っ」 走ったわけでもないのに乱れる呼吸。 錯乱した頭の中で、“ダメだ”とくりかえし声がする。 “笑え” “泣くな” “言っちゃ、ダメ” そう声がするのに。 「……アキ……っ」 あたしはアキのコートのすそを、すがりつくように両手で握った。 「あたし……これ以上がんばっても、やっぱムダなのかなぁっ……?」