枕元で携帯が鳴った。 アキからの着信だ。 出たくない……。 鳴り止むまで無視していると 数分後、一階から「あら~、アキくん」とお母さんの声が聞こえた。 階段を上がる音。 近づいてくる気配。 あたしは布団を頭まで被る。 「来ないでよ……」 今は会いたくないのに。 けれど、無情にノックが響く。 逃げ出したい気持ちをこらえ、あたしはベッドを降りた。