お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~



「自分の気持ちを押し殺す必要は、どこにもねぇからな。

人のことなんか気にしなくていい。

お前が本当に好きなら、堂々と貫くべきだって俺は思ってるから」



「……」



不穏な音が響き始める。

早鐘を打つ心臓。


黒い波が押し寄せ、足をさらわれそうになる。



「は? 別に、俺は……」


受け流そうとするアキの声は、けれど、聞き取れないほど小さく弱くなっていた。



「後悔はすんなってことだよ」


月島さんはそう言って、去って行った。