そうだよね、アホだなあたし。 今さら心配することなんか、何も―― 「アキ」 ふいに、月島さんの声に静かな力がこもった。 「ホントは今日、お前に言っときたいことがあって来たんだ」 「え?」 束の間の安堵は、あっけなく崩れる。 言っときたいこと。 ……それって。 このふたりの間で、わざわざ会いに来てまで言うことなんて、“彼女”のことくらいしか……。