まるで、ドラマみたいだと思った。 やけに遠く感じる救急車のサイレンも。 一切のムダがない救急隊員たちの動きも。 タンカに乗せられたアキの、血色を失った白い頬も。 すべての光景にフィルターがかかり、現実感が欠け落ちていて。 あたしは置いてけぼりにされたように、何もすることができなかった……。 「心電図は異常なし。症状もすっかり落ち着いているし、もう大丈夫ですよ」 運びこまれた病院の一室。 聴診器を外しながら、お医者さんがそう言った。