「……そういや、さ。今までその部屋、窓が開いてんの見たことなかったんだけど……」 ひそかに気になっていたことを尋ねると、アキはグリコを撫でながら淡々と答えた。 「ずっと物置だったんだ、ここ。でも広いから、先週から俺の部屋にしてもらった」 そうだったんだ。 だから、今まで顔を合わす機会がなかったわけか。 「てか……あんたって、オニ高生だったんだね」 「うん」 「歳、あたしより上だよね? 他の高校を中退したとか?」