■12■ 「――…穂。泉穂」 「ん……」 「そろそろ起きろよ」 少し離れたところから聞こえる声で、あたしは目を覚ました。 ……白い光が満ちた部屋。 寝ぼけ眼が、徐々に焦点を取り戻して…… 「あ」 ガバッ!と起き上がると、ドアのそばでアキがこちらを見下ろしていた。 「お、おはよ」 そうだ、あたし、昨夜アキと一緒に寝たんだっけ……。