部屋に広がる淡い月明かり。 ふたつの影が楽しげに揺れる。 ……アキ。 あたしは本気だよ? 温もりくらい、いくらでもあげる。 アキが望んでくれるなら。 あたしは気づいてた。 “友達”のふりして抑えてた欲が、また少しずつ顔を出してきていることに。 以前より近づいたアキとの距離が、あたしをどんどん欲張りに変えてく。 もっとそばに行きたい。 差し出した手を、握ってよ。 アキ――…