別におかしなことを言ったつもりはなかった。


思ったことをそのまま口にしただけ。


けれどアキはなぜか、数秒間あたしを見つめたまま言葉すらなくて。


それから急に顔をふせて、重なった手を見下ろすと



「ははっ。……やっぱお前みたいなアホ、初めてだ」



噛みしめるように、つぶやいた。



「はぁっ? アホってゆーな」


「だって意味わかんねーし」


「レンタルはレンタルじゃん。今なら延滞無料にしてやるのにー」


「いらね」