「立ち入り禁止だから、ホントは入っちゃダメなんだけど……」 「あぁ……だよな」 「でもここって廃墟にしとくの、もったいないくらいっていうか」 「あぁ……たしかに」 「ね、みんなもそう思――…」 勢いよくふり返ったあたしは、 「――…あれ?」 予想外の光景に、目をパチクリさせた。 ……なんで、誰もいないわけ? てか、いつのまに出てったんだ? そのとき、閉じたドアの向こうで何か重いものを置くような音がした。