「……キレー」 「キレーじゃん」 思わずつぶやくと、見事にアキと声が重なった。 「あ……」 顔を見合わせ、サッと同時に目をそらす。 眼下で黒い波がうねるのを見つめながら、あたしはゴクリとつばを飲みこんだ。 ――『アッキーが来たら、ちゃんと話すんだよ?』 よし、がんばれ、あたし。 何でもいいから、とにかく会話っ。 「よ、夜の海ってのも、けっこういいもんだね」 「あぁ……うん」