本当に勝手だ、あたし。


だけど止められなかったんだ。

溢れて仕方なかったんだ。



“好き”が……。




「あら、泉穂ちゃん」



アキんちの玄関からアキママが出てきて、心臓が飛び出しそうになった。



「あっ…こ、こんばんはっ」


「ちょうどよかったわ~。おいしいリンゴをいただいたから、泉穂ちゃんちにおすそ分けしようと思って」



アキママはそう言って、リンゴの入った袋をあたしに差し出す。



「好き? リンゴ」


「好きですっ!! 大好きです!!」