ドクンッ―― 一瞬、息が止まりそうになった。 “矢沢莉子” リコちゃんのことだ……。 第三者の口から語られるその名前に、呼吸がいっきに苦しくなる。 「誰それ。橘アキの元カノ?」 軽いノリでニーナ先輩がたずねた。 「ん~、ちょっと違うかなぁ~」 ……聞いちゃダメだ。 アキ本人がいないところで勝手に過去を聞き出すなんて 絶対に絶対によくない。 「あのっ、ご注文を――」 「矢沢莉子はねぇ 橘の親友と付き合ってた女」