「やめて泉穂、痛いっ」 「おいっ! 何してんだよ!」 近くにいた男子が、モカからあたしを引き離す。 「だって、モカが……っ!」 「モカは何もしてないよ! あたし、そばで見てたんだから!」 すかさずまりえが否定すると、教室中から非難の声があたしに飛んだ。 ダメだ…… こいつら、話にならない。 はらわたが煮えくり返る。 けど、とにかく今は財布を探さなきゃ。 あたしは教室を出た。