アキのこんな一面に触れるたび、あたしは胸がキューって甘く苦しくなって。 また、好きになる。 「あ、そろそろ咲きそうじゃん、あれ」 家の前まで来たとき、アキがあたしの部屋の窓の方を指さして言った。 そこには、夏から育てているコスモスの鉢。 ベランダの電球に照らされて、うっすら光って見える。 「うん。順調につぼみ付けてるよ」 「へー」