「おい泉穂テメー、かぐやのイスを蹴りやがったんだって?」


「はぁっ!?」



翌日の放課後。

学食の前を通りかかったあたしにインネンをつけてきたのは、川崎兄こと“桃”。



「俺の大切な妹に、上等なことしてくれるじゃねーか」


「ちーがーうっ! 蹴ったのは他の女子! あたしはイスを戻したの!!」


「あ、そうなんか」


「そうなんか、じゃないし! そのシスコン暴走癖、直した方がいんじゃないの!?」