「……はぁ……」 夏休みの間に少しはほとぼりが冷めてたらいいなぁ、なんてちょっと期待してたんだけど。 やっぱ無理か。そりゃそうだわな。 あたしはあきらめのため息をついて、机にカバンを置いた。 「――おは……よござ…ます…」 ん? 今、何か聞こえた? 空耳かと思うほど小さな声だったけど、一応背後を確認すると。 「ヒッ!!」 黒い物体がすぐ真後ろに立っていて、あたしは飛び上がった。