サンダルの裏に伝わる、ふたり分の体重。 他愛ない話をしながら、自転車はスイスイと朝の道を進んでいく。 けれどあたしは完全に、5日前のことを謝るタイミングを逃してしまった。 でも、謝られたくなんかないんだろうな、アキはきっと。 他人のあたしなんかには、触れられたくないんだろうな。 ……アキ。 聞きたいことがいっぱいあるよ。 “リコ”って、アキの元カノ? その子のこと、今でもアキは想って――… 「――おいっ、前」