「……アキ?」 「あ……いや、わりぃ」 数回パチパチと瞬きして、アキがぎこちなく答える。 「ちょっと寝ぼけてた……」 ごまかされてる。直感的に、そう思った。 これが女の勘ってヤツなのかもしれない。 鼓動が、急にせわしなくなる。 黒いモヤが胸に広がる。 “リコ” それって、もしかして―― 「アキの好きな子の名前?」 考えるよりも早く、言葉が口からこぼれ落ちた。