「“南泉穂さんっていう人に助けられたの”って、毎晩嬉しそうに話してたもんなぁ、かぐや」 川崎兄が、川崎妹の背中をバシッと叩く。 いや、別に助けたわけじゃ……。 なんであたし、正義のヒーローみたいになってんの……。 混乱する頭を整理しながら、メロンソーダのアイスをつつくあたし。 ここはファミレス。 オニ高の授業をサボった川崎兄に、ほぼ強制的に連れてこられたのだ。 テーブルを囲んでいるのは、あたしと川崎兄妹、そして……。