――世の中、奇妙な偶然ってヤツがあるもんだ。 「い…いも…妹の…… 川崎かぐやです…すみません」 そんでもって世の中、まったく似てない兄妹ってのもいるもんだ。 「で、俺が兄の川崎桃太郎。 19歳。オニ高生。ヨロシク」 ……嘘だろぉ。 半信半疑どころか1信9疑の気分で、あたしは目の前の“兄妹”を見つめた。 妹の川崎かぐやは、あたしのクラスメイトだった。 そう、先日モカにいじめられていた、あの地味な“川崎さん”。