「あ。そういえば、泉穂ちゃん知ってる? 橘アキが前の学校をやめた理由って――」 先輩が何か言いかけたとき。 誰かがあたしの肩にぶつかり、あたしは吹っ飛ばされるように横に倒れた。 「うわ、大丈夫!?」 ニーナ先輩が手を伸ばしてくれる。 「……痛ったぁ~」 あたしは地面に手をついたまま、ぶつかった相手をにらみつけた。 ――が。 「ひぃっ」 あたしの口から飛び出したのは、文句じゃなく悲鳴だった。