「イトコがファンで、しょっちゅう話を聞かされてたからね。 なんか有名だったみたいだよ、彼」 ファン? 有名? 何だそれ。 「橘アキが有名人っていうより、グループで目立ってたっつーの? ほら、どの学校にもいるじゃん、そういう人たち」 あぁ、なるほど。 「この学校でいう、ニーナ先輩たちみたいな存在ですね」 あたしの言葉を聞いた先輩は「ま、そうなるかな」と髪をかき上げて、昭和アイドルみたいに微笑んだ。 はは、キザっすね先輩……。 でも顔がいいからOKです。