「この!この! 悪霊退散!」 「やめろって、アホ」 ……アキが笑ってくれると、嬉しくて。 あたしが笑わせたなら、もっともっと嬉しくて。 この気持ちのワケは何だろう。 なんであたしは、アキに対して、こんな……。 「――あ。星、ちょっと出てきたじゃん」 アキがふいに視線を上げた。 「ホントだ」 あたしも見上げると、雲が少しだけ晴れて星の瞬きがうっすら見えた。