「しようぜって、そんな男前な言い方されても」 ククク、と肩を震わせるアキ。 なんかあたし、さっきから空回りばっかの気がする。 ……アキが悪いんだ。 あんな寂しそうな背中、見せるから。 あんな優しい笑顔、見せるから。 そのくせ、心の中だけは全然見えなくて。 だから……。 いつのまにか陽はすっかり落ちきって、黒い川面にゆらゆらと、街灯の灯りが映っていた。