実際はガツーンじゃなく、コツンくらいの勢いだったけど、武勇伝だし少々盛るのは許してもらおう。 教室での様子を説明しながら、鼻高々でふんぞり返っていると。 「――そっか」 突然、アキの瞳からやさしい光がこぼれた。 「がんばったじゃん、お前」 「え……っ」 たかが、微笑まれただけなのに。 なぜかあたしは、その笑顔を直視できなくなって。