「そ、そう?」 引きつりつつも笑って応えるあたし。 ところがモカはその態度が気に食わなかったらしく、「はーぁ」と気だるげに髪をかき上げた。 「やっぱ今日は学校休めばよかったかなぁ。なんかイラつく~」 そのときだった。 意地悪く光るモカの瞳が、ふと、近くの席に移動した。 「なーに見てんだよ、ドブス」 「……っ」 いきなり標的にされたのは、保健委員の川崎さん。 クラスで一番地味な、まっ黒の髪をした大人しい子だった。