「こっちのが似合う」 「……っ」 首元にネックレスを近づけて顔を見つめられ、不覚にも頬が火照る。 「あ……じゃあ、それで……」 「ん」 商品を持ってレジへ向かうアキ。 だけどあたしはとっさに、アキの服を後ろからつかんで引き留めた。 「や、やっぱ自分で買うよ!」 「は?」 「身につける物は自分で買いたい主義だし」 買ってもらうなら、彼氏じゃなきゃ嫌だし。 そんな考えが頭に浮かんで、大あわてで消去した。