口元についたソースを、あわててハンカチでぬぐうあたし。 先輩は「あの人さぁ」と言って、店の奥に目をやった。 「泉穂ちゃんの知り合い?」 先輩が見ている方向には、壁際で談笑するモカと、アキの姿。 「あ、はい」 「オニ高の人だよね? 女子がプリンスとか呼んでる」 「あはは……。ふざけたあだ名ですよねぇ。本名は橘アキっていう普通の名前なのに」 「橘アキ?」 突然、先輩が目を丸くした。