俺が勝手にルカの家に押しかけて朝ごはんを作っているだけだ。

だってそうしないと彼女は平気でご飯を抜く。


この間俺が実家に帰省していた時なんて、三食すべて食べずに玄関で行き倒れていた。

ルカだってご飯が作れない訳じゃない。

ただ彼女はあまりにも面倒くさがりなのだ。

面倒なことをするぐらいなら死んでしまってもいいというぐらいに。


そんな彼女を放っておけるわけも無く、俺は毎朝ルカの住むアパートに出向いている。

彼女を驚かせようと思って、今日もルカの布団に潜りこんでみたのだが、眠たくてそれどころじゃないルカはまったくの無反応だ。


ちなみに俺たちはルキ、ルカと呼びあっているが、もちろん本名ではない。

俺の名前は春紀、彼女の名前は遥だ。


互いの愛称がどちらもハルでは面倒なので、名前の後ろ2文字をとってルキ、ルカと呼んでいる。