そして迎えたバレンタイン当日。

彼女の家に行かないことも考えたが、そうすれば今度こそルカの中で俺の評価はガタ落ちだ。

それは何としても避けたい。


彼女の所まで行って、プレゼントされる前に説得しよう。

焦らなくていいからゆっくり行こう。

俺はルカのペースでいいんだ、って。



「ルキっ」

今日は珍しく彼女がちゃんと起きている。

何だかどことなく甘い香りが…って、おっさんかよ。

ぶんぶんと首を振って、俺は玄関から中に入らず彼女と向き合う。


いつもと違う俺の雰囲気に、ルカが首を傾げた。

くそぅ、かわいすぎる。