* 「良い部屋だね」 部屋に入ると、彼女はリラックスした様子でベッドに腰掛けた。 「そうだな」 引かれていたカーテンを開けると、海辺にしんしんと降る雪が見えた。 「…綺麗」 窓辺に立つ俺の横に来て、彼女は小さく呟いた。 隣に立つ彼女の肩が、なぜだかすごく頼りなさげで俺は小さな焦燥感に駆られた。 そして深く考える前に彼女を抱き締めていた。