* 「せっかくの休日なのに、ごめんね」 雪の降る砂浜と海を見下ろしながら、塀の上を歩く彼女の後ろを歩く。 「危ないぞ。雪で滑る。」 一応忠告はしてみるものの、それが無駄だということは内心分かっている。 「先生って、授業中何考えてるの?」 彼女の黒いコートの肩に雪がうっすらと積もって、色を変えている。