* 「先生?」 はっとして顔を上げると、教え子の訝しげな表情。 「あ、ごめん…」 今、また3年生を受け持つ俺は、教室で放課後、過去問の添削をしている最中だった。 「だからここはこの構文に倒置が起きていて…」 夕暮れのさす教室。 埃とチョークの匂い。 目の前には俺の解説でメモをとる生徒。