「うん、良いよ」



ニコニコしながら魔王はあっさりと姫の返却を許可しました。

これには(色んな意味で)頭の悪いユータも、拍子抜けしました。


「おいおい、“そうは行かない”とかもっと言葉があるだろ?」

「ボクは戦う気はないから。戦いたいなら戦っても良いけれど、負けると思うよ?」


この言葉がユータの失っていた闘争心に火を付けました。

手始めに魔王にその拳を振るいましたが、魔王にあっさりとかわされる始末。

それが何度も何度も繰り返されました。