「ああ、やっと来たんだね」


やっとの思いで辿り着いた先にいたのは、

ユータ達とあまり変わらない年齢の少年でした。

まるでユータ達が来る事を分かっていて、

ずっと待っていたような口ぶりでした。

そう、彼こそがこの城のある時であり魔王なのです。



「お前が魔王か……! さっさと姫様返して貰おうか!」



恐らく魔王との戦いは厳しい物になるであろう。

下の階で戦っている三人の為にも、此処は気合を入れて勝たねばならない。

ユータはそう思いながら拳を構えました。

サキもユータの背後から心配そうにその様子を見守っていました。