3バカ+αが魔王様を倒しに行く話。

「君、イグオー族だよね?」

「え!? そうなの? そうは見えないけど……」

「空腹だったとはいえ、この量は明らかに僕たちが1人で食べきれる量じゃないよ。
この量を食べきれるのはイグオー族以外に考えられない」


イクトの突然の問いかけに、少年が答えるよりも先にサワが驚きました。

イクトが丁寧にそれを説明すると、サワだけでなくユータも納得しました。が。


「……で、イグオー族って?」

「サワ、お前……と言いたいところだけど俺も分かっていない」


結局のところ2人は分かっていませんでした。

イクトが呆れて溜息を吐き、その種族について説明しようとしたその時です。


「うん。僕はイグオー族。周りが言うほど、そんなに食べているつもりはないけれど」


ああ、やっぱり。少年のその答えに、イクトだけが納得しました。