3バカ+αが魔王様を倒しに行く話。

「良かった。気分はどう?」

「…………」

「寝過ぎなんだよ、お前。俺達には使命があるっていうのに」

「…………」


イクトの心配する声と、ユータの自身の不満の声を聞いても、

少年は起き上がる事もせずにただ2人をジッと見つめていました。

それはまるで何かを訴えるかのようでした。

それから会話らしい会話は一切なく、妙な沈黙が部屋中を包み込みました。

沈黙を破ったのはドアのノック音でした。サワが“どうぞー”と元気よく言うと、

ドアを開けて入って来たのは宿で働く若い女性でした。

その手には3人分のパンと飲み物がありました。