ふと 目が覚めると目の前は-・・・
澄み切った青い空だった。
「・・・?」
むくっと体を起こし周りを見渡す。
ここは何処だろうか・・・・?
美嘉が俺に気づいて声をかける。
「やっと起きたか。・・・運ぶの大変だったんだからな。」
美嘉は こちらを見て文句を言った。
だが-・・・
だが しかし・・・
「美嘉。運ぶ場所間違えてないか?普通保健室とか・・・」
「アルコールの匂いが苦手なの。」
だからって・・・
屋上に運ぶかな。普通。
そう、ここは屋上。
誰も来ないため普段は立入禁止されている場所。
「・・・なぁ」
「なんだ?」
俺は聞こうと思った。
気が動転して聞けなかった事を。
「悪魔は彩がそうなるよう俺に仕向けたんだよな?」
「あぁ。」
「だから彩が怨んで俺についてる。でも好きだと彩はいってくれる。」
「・・・・あぁ」
「じゃ何で・・・好きなのにおれはつかれっぱなしなんだ?やっぱり彩は怨んでいるのか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
長い沈黙が続く。
何だ?
何で教えてくれないんだ?
美嘉はう-んと考えているみたいだ。
「どうした?」
「いや、これは・・・むぅ・・・」
美嘉は難しい顔をしている。
どうやら言おうか迷っているみたいだ。
「言いにくい、事なのか・・・?」
俺は ためらいながら聞くと 美嘉は恐る恐る口を開いた。
「私は別に話しても構わない。」
「だったら・・・・!」
話してくれてもいいじゃないか と言おうとした時、美嘉がまた口を開いたのでそれは止められた。
「亜希が・・・辛い思いをする話でも聞きたいか?」
「!」
美嘉は俺を真剣に見ていた。
美嘉が 覚悟を決めて、俺の為に話してくれようとしている。
だったら俺も・・・
「うん。」
それに答えないと!!
「聞かせてくれ!!」

俺の目が泳がないのは、もう心が定まったからだ。
もう逃げない。
彩からも 自分からも------。
「わかった。全てを・・・亜希に話すよ。」
俺はもう 誰にも折られない心の芯が出来ていた。