くそ・・・
どうしてだよ。
全部 嘘だったって言うのか?
俺が作った心の芯は案外モロく、ポキッと折れてしまっていた。
俺が好きなのも 全て知ってて陰から笑ってたのかよ?
「彩ぁ・・・・。」
俺の口から出る言葉は全て愛しい人の名。
「彩、彩、彩ぁ・・・・・」
何度でも 呼んでしまう。
あの彩なら『何?』って来てくれそうな気がして。
「何?」
俺は驚いて振り向くと そこには美嘉がいた。
「・・・からかってるのか?」
「違う。彩が・・・・。そう言った。」
私はそれを あなたに伝えただけ、と美嘉は俺に言う。
「・・・美嘉には彩の姿が見える・・・。」
「あぁ」
「話しも出来る。」
「あぁ・・・。」
俺は決心した。
彩が見たい。
会いたい。
話したい。
だから・・・
「俺を弟子にしてくれッ!」
「はぁ?」
美嘉は言葉に困っているようだった。
そりゃそうだよな 弟子にしてくれなんて言われたら。
「あのな、亜希、言っておくが・・・・霊を見る、話すってのは弟子になったくらいじゃ無理だ。」
「そ、そうなのか?じゃあ、どうして美嘉は・・・・」
「私の場合、血、だよ。」
「血?」
意味が分からない。
遺伝って事か。
「私の先祖は平安の大陰陽師。安倍晴明だよ。」
「え。」