月に秘めた恋

「・・・あそ じゃあもう聞かない」


そう言って 李生は


近くの壁に寄りかかった


はぁ・・・危なかったな


「なぁ・・・李生


俺さ どうしたらいい?」


「知るかよ 自分の事なんだから


自分で考えろよ」


だよな・・・


でも これは自分じゃ考えられない


問題なんだよ


俺は 屋上を出ようとした


「湊? どこ行くんだよ?」


「・・・教室戻るんだよ」


それと・・・未憂の事が


気になるし


光里の事も 少しだけ


気になっていた


「・・・なぁ 李生


もしさ 好きになった女が


自分のダチの彼女だったらどうする?」


「は?」


「たとえばの話だよ お前なら


どうするかなって・・・」


本当は 俺自身の話なんだ


こんな事 李生に言っても


仕方ないと思うけど


「そうだな・・・俺なら


そのダチと絶交するな」